会社案内

代表挨拶

「最善は常に未来にあり」

 かつて紙業界は安定的な需要に支えられ、不況に強い業種と言われてきましたが、リーマンショック以降の景気の大幅な落ち込みと東日本大震災により、過去に経験したことのない厳しい時代に入りました。それに加えてインターネットの隆盛期です。書物の電子化は紙業界にとって黒船襲来を想わせるほどの脅威であり、黒船を見たサムライたちが一睡もできなかったと笑えない状況にあります。そして2021年7月現在は、コロナ禍のパンデミックです。決定的な歴史的転換期にありますが、それでも道は拓かれると信じて挑戦してまいります。
 美濃紙業は洋紙と板紙の専門商社として70年以上の歴史があります。取扱品は、売上高ベースで洋紙が約8割、板紙とその他で約2割です。板紙は少しずつ減ってきていますが、紙器印刷業社向けの白板や書籍の表紙用途の高板などを主に取り扱っています。当社の強みは、大阪の紙流通の中心である協同組合・紙文具流通センターに位置していることです。それにより物流コストを下げ、至急の配送にも対応可能です。また、植林木を使った森林認証紙を勧め、紙を扱う私たちも地球環境の認識を深め、最良の紙を提示して啓蒙に努めながら、近江商人の理念に接ぎ木して、「買い手よし、売り手よし、世界もよし」を社是ともしています。
 社内的には営業の主力が若手社員に転換したのを機に、2011年11月の決算全体会議より現社長が経営体質や合理化を抜本的に見直し、人材育成への取り組みをはじめ、社員一人一人を大切にする全人的経営改革に着手しました。社外的には自社と他社の二つの焦点を持って、柔軟性と可能性を抱いて知恵と情報を共有し、互いに協力し合う姿勢で励んでおります。
 今や地球環境は破壊され、私たちは未来の世代への責任を負っていることを自覚し、持続可能な経済活動のために、これまでどおり誠実と倫理を大切に、「最善は常に未来にあり」をモットーに挑戦し続けていく所存です。どんなに時代が変わろうとも変わらぬものがあり、変えてはならないものがあります。それを見失わずに前進していきたいと思います。

代表取締役会長
藤本 良輔

Interview

経営は人生そのものである 「日本紙パルプ商事株式会社広報室『JP会ニュース』168号・2007年5月20日発行より転載」

-御社の業容について教えてください。
当社の取扱品は、売上高ベースで洋紙が約8割、板紙とその他で約2割です。板紙は少しずつ減ってきていますが、紙器印刷業社向けの白板や書籍の表紙用途の高板などをおもに扱っています。
-昨年FSC®のCoC認証(FSC-C013591)を取得されたとお聞きしました。
今まで環境に配慮した用紙というと再生紙が主流でしたが、昨年、植林木を使った森林認証紙をお客様に提案し、印刷会社と当社が森林認証を取得して、大手家電メーカーの製品カタログに森林認証紙を採用していただきました。 エンドユーザーにおける森林認証の認知度はまだまだ低く、森林認証を取得しても成約に結びつくケースは少ないのが現状ですが、当社ではこうした新しい挑戦が早々に商売に結びついたことにより、今後も意欲的に取り組んでいくつもりです。 今や地球環境の問題は万人の問題ですから、我々も紙を扱う者としての認識を深め、最良の紙を提示して啓蒙に努めたいと思っています。そのことが企業の社会的責任を果たすことにも繋がると考えています。
-物流施策についてはどのようにお考えですか。
1995年に、東亞洋紙店(現在は光陽社と合併)の物流子会社だったトーア運輸に、大阪紙文具流通センター内の3社が出資して、4社による共同配送を開始しました。 当初は、自社の販売先情報が他社に漏れてしまわないかという懸念がありましたが、企業倫理は守られ、至急の配送についてもお互いの協力により解決し、コストダウンを実現することができました。今後の課題としては、トーア運輸の採算性の問題が残っています。 今年4月からは東亞洋紙店の合併により1社抜けましたので、トーア運輸の経営合理化と新たな参画会社を募って一層の発展に努めます。
-藤本社長の経営に関してのお考えをお聞かせください。
商人の鑑とする近江商人の言葉に「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」があります。この考えは時代が大きく変化した現代でも通じる考え方だと思います。 現代の社会環境にあてはめてみますと、「買い手よし、売り手よし、世界もよし」ということになりましょうか。今や一企業、一国の利益だけを追求するのではなく、地球環境に配慮して社会全体に貢献する意識が必要です。 その理念にも通じるものとして、資生堂の池田守男社長が語る「V字回復の秘訣」が心に深く響きました。一般の会社組織は社長をトップにして、役員、管理職、一般社員というピラミッド型を形成していますが、池田社長はこの構図をさかさまにした「逆ピラミッド型組織」を実践されたのです。 経営の中心に据えた「サーバント・リーダーシップ」とは、「偉くなりたいと思う者は、みな仕える者になりなさい。」という聖書の言葉からきています。 即ち、社長が一番下になって販売員に至る全社員に仕えるという発想です。これはクリスチャンである池田社長だからこその発想であり、聖書的価値観に基づいたものなのです。 私も長年、教会で牧師の説教を聴いていますからよく理解できました。社員一人ひとりの良さを引き出して、それを最大限に発揮できる人材に育てる、私もそのようなリーダーでありたいと励んでおります。
-社員教育についてのお考えをお聞かせください。
当社の従業員数は現在21名ですが、この2~3年でベテラン社員が定年を迎え、営業の主力が若手社員に切り替わります。目下の課題は、ベテラン社員が有している知識や経験をいかに若手社員に継承していくかということです。 例えば営業部門では、ベテラン社員はお客様と良い関係を保ちながら、適切な利益を確保するような商談をしますが、若手社員は成約させることが先に立ってしまい、必要以上にお客様の要求を聞いてしまうことがあります。こうしたことをなくすために、若手営業マンをベテラン社員に同行させて、商談の進め方や交渉の仕方を肌身で学んでもらっています。 また、職場環境の向上や業務の効率化を目的として、“改善委員会”や“物流委員会”などの委員会を立ち上げ、社員の間で議論したものを会社に提案してもらっています。 このほか、日紙商の提言書をテキストにして当社の強みや弱みを分析したり、当社の経営課題を明確化する勉強会を行うことにより、社員の主体性を育むための機会を設けています。
-今後の抱負についてお聞かせください。
我々の取引先業界である印刷業界は製造業から情報産業へ移行し、この業態変動についていけない会社は廃業せざるを得ない厳しい変革期にあります。一方、国内の紙需要が伸びない状況下で、メーカー及び代理店の合併が進む中にあって、卸商もまた生き残りをかけた熾烈な戦いをしています。 社長に就任してからの18年間を振り返ってみますと、経営はまさに人生そのものであり、順境な時もあれば逆境の時もあり、そして、自分自身の生き方が大きく反映されることを実感しています。 紙業界においても、メーカーさんに「サーバント・リーダーシップ」を発揮していただいて、流通にも利益が残り、「三方よし」の画期的な枠組みを構築するために、共に使命感をもって前進していきたいと思います。
-本日はお忙しいところありがとうございました。